最近の特撮(つーかライダー)に感じたこと

 というか平成ライダーに感じていた違和感について。
平成ライダーに比較して、「超星神シリーズ」や「リュウケンドー」、あるいは「牙狼」や「ライオン丸G」といった作品に共通しているものがあるように感じる。それは“視聴するターゲットの層がはっきりと作品に影響している”と言うことではないか。前者は放送枠が朝であり、見る層も子どもを意識し、扱う話やその題材も子どもに分かりやすいものになっているし、脚本もそれに合わせたご都合主義的なものになっている。後者は深夜に放送していることもあり、性的な部分や日常感じることのある心の闇等大人に受けの良いものが題材になっているし、話も(子供向けのものと比較して)整合性の取れた物が多い。これらの作品はターゲットこそ異なるものの、根底には“正義”という普遍的な骨子があり、その点の一貫性も手伝って、作品として一本筋が通っているように思えるが、最近のライダーシリーズは、善悪が作品内で明確なものではなく、主人公の正義が絶対では無く、必ずと言って良いほどライバルライダーが現われ主人公とは異なる主張(≒正義)で敵対してくると言った様相が殆どである。これが大人をターゲットにした深夜の作品で扱われるものならかまわないのだが、放送時間的にも子どもがメインの層となる時間で、しかも題材は分かりやすいものを取り扱っているし、話もシンプルにご都合主義な面が強いのが大抵である。つまり、狙っている視聴者層と作品としての雰囲気(テーマや作品としての方向性?)がうまいことかみ合ってないのである。これは平成ライダーの筆頭として生み出された「クウガ」がリアル路線でそれなりに成功したことに起因しているのだと自分は考えるが……実際はどうなのだろう。
 今回の「電王」は放送前からデザインやその他の諸々がネット上で話題になり、私も不安になったが、1,2話を見た時点ではその心配が(今のところ)杞憂であったことに安堵しているし、それ以上に化ける可能性を秘めているように思えた。今後も今までのような“違和感”に見舞われること無く、最後まで駆け抜けて欲しく思う。